こんにちは、カデンシア&コンシェルのジュエリーデザイナー森です。
ゴールデンウィークも終わり、もう5月ですね。
ついこの間、2022年になったと思っていたら… もうすぐ夏!
時間の経過って驚くほど早いものですね。
さて、今日は、タイムリーに5月の誕生石のお話をしたいと思います。
5月の誕生石〈エメラルド〉。
まさに新緑の季節にぴったりの鮮烈な緑色の宝石です。
今年は珍しくお洋服の色として緑色が流行しておりますので、ファッションとしても緑色の代表的な宝石であるエメラルドのジュエリーは気になるところではないでしょうか。
エメラルドは美しく鮮やかな緑色が魅力の宝石で、ダイヤモンド、ルビー、サファイアとならぶ四大宝石のひとつです。
緑柱石(ベリル)という鉱物の一種で、実は、アクアマリンやモルガナイトといった半貴石と親戚の関係なのです!
意外なのですが、確かに、エメラルドを観察しているとアクアマリンやモルガナイトに似た吸い込まれそうな透明感を感じます。
個人的には、このガラスのような何ともいえないクリアな光沢が色と並んでエメラルドの大きな魅力となっていると思います。
エメラルドはもともとの成り立ちから内部に無数の傷を内包しています。
天然石ならではの自然な状態であり、むしろ、この特徴的な傷や内包物が天然であることの証となっている側面もあり宝石としての個性ともいえるでしょう。
ですから、私たちが手にすることのできるエメラルドのほとんどがオイルや樹脂に浸すなどの科学的な処理を施していると思っていただいたほうが良いと思います。
また、内部の傷のため、脆く欠けやすい宝石ですので、日常使いする際にはダメージが加わらないように丁寧に気を使って身に着けてあげてほしい宝石です。
特に、水に浸してしまったり、洗剤を使ってしまったりすることは避けてくださいね。
超音波洗浄機にかけるのももってのほかです!
オイルや樹脂が流れ出してしまい、せっかくの美しい色合いや風合いが変わってしまう恐れがありますし、悪くすると石が壊れてしまうなど最悪の事態になることも…
大切な宝石をいつまでも良い状態で身に着けることが出来るよう、お取り扱いには注意なさってくださいませ!
このようなセンシティブなエメラルドの性質から考案されたのがエメラルドカットと呼ばれる角型のカットです。
エメラルドの代表的なカットであり、他の種類の宝石にも「エメラルドカット」としてこの形状にカットを施す事があります。
カデンシア&コンシェルのフルオーダー事例からエメラルドカットのものをセレクトしてみました。
このように、長方形の四隅を面取りしたようなイメージのカットがエメラルドカットです。
カット面が少なく衝撃に弱いエメラルドにやさしいカットであるだけではなく、ダイヤモンドのようにカット面を多くして輝きを追求するのではなく、より広い面を作ることで最大の特徴である緑色を際立たせているのです。
お作り替えでお持ち込みいただく緑のお石の中でも、やはり、エメラルドカットのものがとても多いですよ!
こちらのフルオーダーは、中石として3つのジュエリーを飾っていたエメラルドと思われるお石をまとめてひとつのリングにリフォームした事例です。
一番大きなお石は、色合いは美しいのですが内側の亀裂が大きく、通常の留め方では留めることができなかったため、ジュエリー用の接着剤で枠に留める方法を取っています。
このようにすることで、ダメージの大きなお石もリフォームすることが可能になってまいります。
色石のお作り替えでは、エメラルドと思われる緑色のお石を使用することがとても多いです。
宝石としての価値が高く、いわゆる「取り巻き」など、脇石をふんだんに使ったクラシカルでゴージャスなジュエリーに仕立てられていることが多いため、現代のファッションやライフスタイルに馴染まなく感じられるのかもしれません。
お石の色が美しいので、何とか身に着けられるようにしたいというお作り替えのモチベーションが高くなるのかもしれません。
色々な事例がございますのでご覧ください。
このお石も少しダメージがあったため、枠留めでのリフォームです。
緑色とイエローゴールドの色味がマッチして優しい印象になっていますね。
こちらは、プラチナ台に青いお石との組み合わせが爽やかなペンダントです。
緑のお石の状態が良かったので、しっかりと爪留めで留めさせていただきました。
色鮮やかな青と緑の宝石が素敵に調和しているデザインだと思います。
お石の上に地金の飾りがついています。
緑のお石に大きな目立つ傷があったため、その部分を地金の装飾でカバーしているのです。
エメラルドと思われる緑のお石は経年によるダメージが見られるものが多いのですが、このようにデザインでお石を一層美しく身に着けられるようにすることも可能です。
こちらは、小さなお石を複数使用した華やかなトップへのお作り替えです。
鮮やかな緑色を差し色につかって、透明石の輝きの中で緑色が映えるジュエリーになりました。
緑の石のリフォーム事例はいかがでしたか?
もしも、宝石箱の中に緑のお石が眠っていましたら、ぜひ、カデンシア&コンシェルの店頭にお持ちくださいませ。
再び身に着けることが出来るよう、サイズ直しなどのお修理から、セミオーダー・フルオーダーのご提案までさまざまにご案内いたします。
お石にダメージがある場合にもできる限りの対応をしておりますので、どうぞ店頭にてご相談くださいませ。
ジュエリーデザイナー、ジュエリーアドバイザー、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。